(ゲノムだけでは厳密な意味での疫学調査の限界があり、自粛は危険水域に。行政の長の責任は、コロナとの戦いではなく、不況との戦いだ。)

理系院卒が『新型コロナウイルスに関するデマをぶった斬る』:という勇ましいタイトルの記事がある。詳細は以下。 https://note.com/kawasemi_no_hina/n/n949d2aac0b34

いささか気負い過ぎで誹謗も散見されるが、ゲノム解析の最新情報に詳しいらしい。要点を短く記すと、武漢発のnatureに搭載された資料から中国の医師団が行ったことは、武漢市金銀丹病院に入院した重症肺炎患者7人(うち海鮮市場関係者は6人)の肺炎の原因を探るため、肺炎レジオネラ、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)、アデノウイルス、リケッチア、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルスに対する抗体検査を行なっている。全て陰性であるからそれ以外の未知の新型ウイルスとRNA-Seqで断定できるというもの。

大橋眞氏は、RNA-Seqの基本を理解できておらず、『2kb(2千塩基の意)に断片化』や『ショットガン(ショットガンシークエンシング)』は、DNAシーケンシングの手法であって、RNAシーケンシング(RNA-Seq)より一世代前の”古い手法”、と酷評しています。

つまり、最新の手法で未知のウイルスを検出しているとの主張。コッホの3原則を度外視すれば、当然の意見の違いとはなってくる。

ゲノム解析に関して見れば、武漢ウイルスとオーストラリアウイルスは、厳密な意味で単離は出来ていないものの、ゲノムがほぼ同一のものとなっています(下記ゲノムの最終4行あたりが違うだけ)。国立感染研の取り下げ前のゲノムは前2者とは全く異なる。ウイルス存在説を主張する者はゲノム解析を最新技術に基づく信頼できるものとして、これを基にしたワクチン開発を急ぐ。だが本当に安全で効力のあるものであることまでは誰も主張をしていない。だからこそ、コロナワクチン健康被害、国が賠償肩代わり、の記事も出てくることになる。

3つのゲノム
武漢 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NC_045512
オーストラリア https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/MT007544.1
国立感染研 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/LC521925.1?report=genbank

新型コロナウイルスSARS-COV-2のゲノム分子疫学調査2 (2020/7/16現在)国立感染症研究所

国立感染症研究所の情報開示は、ゲノム解析をベースにしており、最近の解釈では以下のとおり、最初のクルーズ船到着時のものから、欧州イタリア型のものが変異を繰り返し、2020/08/08 読売が報じたように、新しいタイプの遺伝子配列を持つ新型コロナウイルスが、6月以降全国に広がっているという様に報じられた。出所を詳しく見ていくと、ゲノム解析の限界も行間に垣間見れる。

「積極的疫学調査を支援する新型コロナウイルス・ゲノム分子疫学調査についての補足」の最後に以下のコメントがなされており、ゲノム解析の立脚点を正確に表現している。

積極的疫学調査を支援する新型コロナウイルス・ゲノム分子疫学調査は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム上にランダムに発生する変異箇所の足跡をトレースすることにより、感染リンクの過去を遡り積極的疫学調査を支援している。この調査により、これまでの経過は以下の様に説明できると考えている。中国発から地域固有の感染クラスターが発生し、“中国、湖北省、武漢” をキーワードに蓋然性の高い感染者・濃厚接触者をいち早く探知して抑え込むことができた。しかしながら、3月中旬から全国各地で欧州系統の同時多発流入により“感染リンク不明” の孤発例が検出されはじめた。数週間のうちに全国各地へ拡散して地域固有のクラスターが国内を侵食し、3−4月の感染拡大へ繋がったと考えられる。現場対策の尽力により一旦は収束の兆しを見せたが、6月の経済再開を契機に “若者を中心にした軽症(もしくは無症候)患者” が密かにつないだ感染リンクがここにきて一気に顕在化したものと推察される。隠れた感染リンクをいち早く探知するためにも、聞き取りによる実地疫学調査に加え、ゲノム分子疫学調査による拡散範囲を特定し、そのクラスター要因の特徴を示すことは今後の新型コロナ対策にとって必須だと考えている。
一方、本調査におけるゲノム情報は “鑑識” としての役割を担っているに過ぎず、聞き取り調査等の疫学情報無しでは成立しない。あくまで疫学調査を支援するひとつの支援材料であることを予めご留意いただきたい。塩基変異を足取りに ゲノム情報を基礎にしたクラスター認定” を実施しているが、これは地域名や業種を特定して名指しするものではなく、あくまで患者としての成り立ちを “ウイルス分子疫学” として束ねてその共通因子を探る調査法である。東京型・埼玉型といった地域に起因する型(type)を認定するような根拠は得られていないし、ステレオタイプに定義のない型を使用して混乱を増長する危険性を感じているまた、新型コロナウイルスの塩基変異に伴う病原性の変化についての議論がしばしば見られる。一般論としては、ウイルスは病原性をさげて広く深くウイルス種を残していく適応・潜伏の方向に向かうと推定され5.新型コロナウイルスの病原性の変化については単にゲノム情報を確定しただけでは判定できるものではなく、患者の臨床所見、個別ウイルス株の細胞生物学・感染実験等を総合的に考慮する必要があると考えている

genome 2020 2
クリックすると、大きな図で見られます。

●巷の受け止め例。

松江市の高校サッカー部での陽性者88人の症状は、熱中症の症状にすごくよく似てる。なかなか区別がつかない。と、報道ステーションで言ってました。これって、熱中症そのものなんですよね!ニュース観てみなさん違和感感じないのかな。 PCR検査するから、マスコミの絶好のネタになってしまっている。やっと部活が再開できてまだ日も浅い。部員も顧問の先生がたもご家族も PCR検査をしたばかりに、酷い目に遭ってますよね。記者会見で高校の先生が謝っていました。大騒動にしてるのはマスコミですよね。感染者と陽性者の違いの説明をしない政府が悪い。クラスターとか、隔離とかもう言わないで欲しい。

●一方、厚労省は毎日下記のようなデータを開示しているが、国立感染症研究所のデータを感染者に仕立て上げる操作を敢えて行っている。

8月11日現在の新型コロナウイルス感染症に関する状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。国内での新型コロナウイルス感染症の感染者は48,928例、死亡者は1,052名となりました。また、入院治療等を要する者は14,160名、退院又は療養解除となった者は33,975名となりました。

ータでは陽性者数となっているが、報道では、何故か感染者と言い変えられている。これが誤解の基となっている。(括弧内は前日比)

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