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ロスジェネと高齢者

ロスジェネの問題は高齢者の問題でもある。行政のスリム化と高齢者の身を切る改革無しには解決に向かわないだろう。掛け金の倍以上の給付を受けている実情には無理があろう。

2019.527 朝日(ロスジェネはいま エイジングニッポン:中)遠い結婚、少子・高齢単身


自分たちの世代が生きていくすべとして、結婚を焦っていたのかもしれない。関東地方に暮らし、中小企業でパートとして働く46歳の女性は思う。

東京・世田谷の閑静な住宅街に住み、専業主婦になり、子どもには海外留学をさせて――。そんな夢を持って33歳の夏に結婚情報サービスに入会した。「医師・歯科医、東大早ログイン前の続き慶卒、年収1千万円以上のいずれか」という「ハイスペック男性」コースで、入会金は男性より高く30万円ほどだった。

就職氷河期に社会に出た世代「ロストジェネレーション」。30歳を過ぎて母親が亡くなり、都内の家賃5万円弱のアパートで一人暮らしをした。派遣社員として企業のデータ入力作業をし、正社員並みに働いたが手取りは月20万円台前半だった。結婚は「豊かな生活へジャンプできる大きなチャンス」だと思った。

紹介された医者や経営者2、3人と会ったが、本当に楽しいと思える人はいなかった。結局、飲み会で知り合った年下の自営業の男性と40歳で結婚したが、セックスレスになり、価値観の違いにも気づいた。いまは離婚を考えている。

「男性に高い条件を求めていた当時は、『結婚を夢見る夢子ちゃん』だったのかもしれません。いまも独身の友達は多く、私のように子どもがいない夫婦もたくさんいる。早く結婚して子どもをつくるのが当然だった親の世代とは、家族のあり方が変わっています」

国内の婚姻件数は、ほぼロスジェネの親に当たる団塊世代が25歳前後だった1970~74年にかけ、年間100万組を超えていた。それが右肩下がりとなり、2017年には半分近い60万組に減った。50歳まで結婚したことのない「生涯未婚率」は、15年の国勢調査をもとにした分析では男性で約4人に1人、女性で約7人に1人になった。

ロスジェネは、団塊ジュニアや第2次ベビーブーマーといわれる大きな人口の膨らみを含む。この世代を不安定雇用に追い込み、加えて非婚化が進んだことで、第3次ベビーブームは起きなかった。

ロスジェネ世代でもある作家・活動家の雨宮処凛(かりん)さん(44)は、この世代の女性たちは「社会から見えにくい存在」だと言う。「昭和の日本では非正規雇用の女性も結婚することで家族に吸収されていた。今は1人で生きなければいけない女性が増えており、私も友人たちも、結婚せずに老いていく現実を突きつけられている」

■ひきこもり憂慮

少子化と同時に進むのが単身世帯の増加だ。山田昌弘・中央大教授(家族社会学)は、この世代が年を重ねて高齢単身者が増えることにより、社会的孤立が深刻化すると警鐘を鳴らす。

「男性は正社員のルートから外れたら、女性は正社員と結婚できなかったら、将来が描けない。ロスジェネの親の世代までは、配偶者や子が介護などの面倒をみたが、これからは頼れる人がいないまま高齢になる人が増えていく」

懸念されるのが、仕事や社会参加をせずに孤立する「ひきこもり」だ。40~64歳の中高年ひきこもりが全国に約61万人いるという衝撃的な推計を内閣府が公表したのは3月末だった。

中高年のひきこもりが社会問題として注目される背景には、人口規模の大きいロスジェネ世代が30代後半から40代後半にさしかかっていることがある。長くひきこもる40~50代の子どもを、70~80代の親が支える。いわゆる「7040問題」「8050問題」の深刻化もまた、この世代がかかわっている。

「労働環境の悪化もひきこもり増加の理由になっているんじゃないか」。昨年9月に都内であった「ひ老会」(ひきこもりと老いを考える会)のミーティングで、さとう学さん(41)は熱を込めて話した。ひ老会はひきこもりの高年齢化に直面する当事者や経験者らが集い、語り合う場だ。

さとうさんは計20年近いひきこもり経験がある。30代のとき、ひきこもりから脱して働いたパート先の会社で、自社商品の買い取りを強いられる「自爆営業」やパワハラの被害にあった。約5年で退職し、再びひきこもった。そんな自身の経験をふまえて言う。

「ひきこもりの中高年が働き始めたとして、そこに希望はあるのか。結婚もできず、給料もあがらず。それに耐えられるのか」

ロスジェネ世代の高齢化は、この国に大きな重荷を背負わせる。

■国も大きな負担

団塊の世代が75歳以上になる2025年問題はよく知られているが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、65歳以上人口が最も多くなるのは42年、75歳以上人口のピークは54年だ。ロスジェネが超高齢社会の主役となる時期と重なる。

非正規化が進み無業者が増えたロスジェネ世代について、老後に生活保護を利用する人が増えることによる追加費用は17・7兆~19・3兆円に達する。そんな推計を08年にNIRA総合研究開発機構がはじき出している。

「高齢者の数を減らさなければ、この国の未来はありません」。昨年秋、75歳以上の貧しい高齢者に国家が安楽死を勧める10年後の日本を描いた短編映画が公開された。タイトルは「PLAN75」。オムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の第1編だ。是枝裕和監督が総合監修した。

劇中では、テレビCMが「あなたの決断を全力でサポートします」「痛みや苦しみは一切ありません」と穏やかに安楽死を勧める。

「PLAN75」を撮ったのはロスジェネ世代の早川千絵監督(42)である。きっかけは、障害者施設の入所者19人が殺害された「やまゆり園事件」で感じた、命を選別するような社会の空気への憤りだった。

「このまま進んだら社会はどうなるのか、映画で提示したかった」と早川さんは言う。「不安定な非正規雇用で働いてきた人が年金を減らされ、自分でなんとかしろと放り出されたら、この映画のようなことはありうると思います。そうならない未来への希望も持っていますが」

ロスジェネ世代が高齢化する未来は静かに、刻一刻と、近づいている

賃金が上がらない 社会が歪んでいる

おめでたいプラチナweekのさなか、こんな笑えない報道が流れていた。日本の金融政策の根幹にもかかわる問題です。文字通り見れば、1997年以来2018年に至るまで賃金が下がっている。外国では上がっているのに。というもの。

BS-TBS 報道1930

国民の賃金がある意味で収奪されているとも見える。これを異常ないしおかしいと思わない者には関係ない話だが、健全な経済であれば、このようなことは起きない。日頃の生活の中で、働いている人にはこのデータへの実感があるであろうが、働いていない人がこんな状態にあるあることには無関心だとしたら大問題だろう。支えられる側が支えなくてはいけない時代というのも皮肉なものです。

平成時代をさかのぼる20年間、深刻なデフレ状態で賃金が上がらず、正常な物価上昇が機能しなかったということは確か。いくら、完全雇用が維持されている、経済は緩やかな成長を続けていると唱えてみても、空虚なもの言いではないだろうか。

根本の問題は、金融政策偏重のゼロ金利、それでも足りずにマイナス金利政策まで導入し、古典的な財政出動に頼り、政治・経済・財政の構造改革を怠り社会保険、社会保障制度の抜本改革を怠った結果、起きるべくして起きているのだと考えれば腑に落ちる。

令和の時代を刻んで行くにあたって、国民の覚醒は不可避だろう。政治はモラルを欠き、金融の出口政策も持たずに、ただひたすら日銀が国債を買い支え続けるのも限界点にある。そのひずみはどこかの時点でハードランディングしかないだろう。そのときのために、市民は、国民は防衛措置を講じておくことと、ただ唯々諾々の姿勢改め、もの言う姿勢が一層必要だろう。、政治家も自らのためにする姿勢を根本的にあらため、少なくとも定数是正によるスリム化が求められるだろう。

BS-TBS 報道1930

なお、これらのデータは実質賃金指数の推移の国際比較 – 全労連データによるものですが、ベースはOECD統計を基にしています。

詳細は全国労働組合総連合(全労連)調べ をご覧頂きたい。

この他、毎勤統計で問題となった厚労省のこちらの例でも、過去20年間の世帯年収の中央値は過去20年間に122万円も下落してい留ことが」報じられています。

この20年間に緩やかに推移したため大きな問題とならなかったが、格差指標の一つである公務員給与と企業格差は1.4倍と高度成長期とは逆転している異常事態で、経済成長の阻害要因との指摘もある。

浦安市の議員報酬は現在 手当等を含めて約900万円。議員にはそれだけの仕事をしてもらわないといけませんが、実際問題それだけの活躍をしている人は?です。

市の公共施設の利用料金をはじめとして今年から値上げが続きます。我々の税金がどのように使われるのか、政治に関心が無いからで済まされる状況ではありません。今回の市議選でも問題視がほんの一部に止まっていた、音楽ホールに30年間にわたり130億円も赤字補填に使うこと、子供図書館の建設問題など、税収には限りがあります。少子化の流れの中、ゆでガエル思考で先見性を持たない政治は、未来に向かって無責任な負の遺産を積み上げていくだけでしょう。市民は、もっと政治に関心を寄せ、自分の頭で他人任せにしない思考法を学ぶ必要があるのではないか。

コメント歓迎します。

ソフトの令和対応 どうする?

令和から平成へバック?

令和から平成トラブル:ローソンATMで北陸銀行扱い向けのトラブルだそうです。

事業者の方、心配ですよね。業務ソフトは西暦に変更した方が無難でしょう。元号のために余計な経費はかけられません。もともと、西暦でプログラムは動いており、平成時代のソフトは元号表示では読み替えをしているだけですから、読み替えをやめれば、大抵のソフトは問題ないはず。

 

「令和」、ぬぐえぬ違和感 中国思想史専門家が読み解く

小島毅・東京大教授 写真・図版2019.4.10朝日新聞 から

新しい元号となる「令和(れいわ)」は、1300年以上ある日本の元号の歴史の中で初めて「国書」が典拠とされた。出典から外れた中国古典の専門家はどう受け止めているのか。中国思想史が専門の小島毅・東京大教授は、いくつもの違和感を指摘する。

 ■読み「りょうわ」では/国書強調、伝統の成り立ちを軽視

政府は新元号の出典を『万葉集』巻五「梅花(うめのはな)の歌三十二首并(あわ)せて序」の「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、(後略)」と発表した。小島さんが最初に違和感を指摘するのが、新元号の読み方だ。「令」を漢音で読めば「れい」だが、比較的古い呉音(ごおん)なら「りょう」だ。小島さんは「当時の法制度は『律令(りつりょう)』。皇太子皇后の出す文書は『令旨(りょうじ)』。大宰府で『万葉集』の観梅の宴を主催した大伴旅人(おおとものたびと)が想定したのは呉音だっただろうから、『りょうわ』でもよいのでは」という。アルファベット表記についても「Reiwaより実際の発音に近いLeiwaにしたらどうだろう」という意見だ。

小島さんは、漢字2字の組み合わせにも異を唱える。「初春令月、気淑風和」から意味をなす2字を選ぶなら「淑和」もしくは「和淑」だという。「令」は「よい、めでたい」という意味で「月」を修飾する。「和」は「(風が)穏やかになる」という意味。「令と和には直接の関係がなく、結びつけるのは無理がある」。『書経』の「百姓昭明、協和万邦(百姓〈ひゃくせい〉昭明にして、万邦〈ばんぽう〉を協和し、〈後略〉)」に基づく昭和も二つの句にまたがるが、国内を意味する「百姓」と外国を意味する「万邦」が対になっているので意味は通る。これに対して「令和は無理やりくっつけている感じがする」という。

小島さんは、観梅の宴で詠まれた歌の題材も気がかりだという。「梅花の歌」序文は「古今」の「詩」(中国の漢詩)に詠まれた「落梅之篇(のへん)」に触れる。「咲き誇る花ではなく落ちゆく花。縁起がいいと思う人は少ないのでは」。32首のうち旅人の歌は「吾(わ)が苑(その)に梅の花散るひさかたの天(あめ)より雪の流れ来るかも」。「梅が散る様子を雪にたとえており、寒々しい時代になるとの解釈もありうる」と小島さん。

歴代元号には、為政者の理念やいい時代の到来への期待が込められてきた。元号を選ぶ際には、平安時代以来、学識がある家柄の者が漢籍から複数の候補を挙げる「勘申(かんじん)」を経て、公卿(くぎょう)(上級貴族)が候補を審議する「難陳(なんちん)」で様々な角度から議論した。小島さんは「難陳になれば『縁起がよくない』と批判を浴びたはず」とみる。

出典を「初の国書」という政府の発表はどう考えればいいのか。

新元号の発表直後、多くの専門家が「梅花の歌」序文のお手本として、中国の古典である王羲之(おうぎし)の「蘭亭序(らんていじょ)」や、詩文集『文選(もんぜん)』の張衡(ちょうこう)「帰田賦(きでんのふ)」からの影響を指摘した。『古事記』『日本書紀』『万葉集』が出典だと主張しても、中国古典にさかのぼる可能性が高い。小島さんはその理由を「日本独自の元号といっても制度自体、中国から学んだもの。日本の文学は中国古典に多くを学び、発展してきた」と解説する。

小島さんの目には、「初の国書」という日本独自の歴史や文化をわざわざ強調する政府の姿勢が、大陸伝来の文化を基盤とする日本の伝統の成り立ちを軽視しているかのように映るという。そもそも大伴旅人が観梅の宴を開いた大宰府は、唐や新羅の使節が訪れて交流した場所でもある。

元号は中国や日本に限らず、「東アジアの漢字文化圏全体が共有する伝統だ」と小島さんは強調する。19世紀以降の帝国主義と革命、近代化とナショナリズムの時代を経て、いま元号の制度が残るのは日本だけとなった。「日中戦争の最中も昔の中国文明や儒教、漢詩の伝統には深い敬意が払われていた。今回の政府の説明でも、中国古典の『文選』と国書『万葉集』のダブル典拠とすれば、東アジア友好のメッセージが伝わったはずなのに」(大内悟史)

こじま・つよし 1962年生まれ。専門は中国思想史。著書に『天皇と儒教思想』『儒教が支えた明治維新』など。

公立と私立の中学校、教育費はこれだけ違う

3年間で3倍近くの差!公立と私立の中学校、教育費はこれだけ違う

 

中学生になると、公立に進んでも学校にかかる費用や塾代などが増えるため、小学校時代より教育費の負担は重くなるのが一般的。私立中学に進学すると、家計からの負担はさらに重くなります。実際にどれくらいかかるのか、まずは総額から見てみましょう。

3年間の合計では公立が約144万円、私立は約402万円

文部科学省「子供の学習費調査」(平成26年度)によると、中学校でかかる学校教育費と学校外教育費などを合わせた学習費の総額は、年間の平均では公立で約48万円、私立で約134万円。私立は公立の約2.8倍という結果です(図1・表1)。

これを学年別に見てみると、公立中学では3年生のときにかかる費用が約57万6000円と最も重く、次が入学した年の1年生で約46万2000円。3年生になると塾代などの費用がかさみ、1年のときは入学時に必要な制服などの準備品が増えるためと思われます。
一方、私立の場合は入学年度の1年生のときが約162万円で最も高く、次が3年生のときの約124万円。公立・私立ともに2年生のときの負担がやや軽くなるという状況です。

学年別にかかる費用を合計すると、公立は3年間で約144万円、私立は3年間で約402万円となり、子ども1人が私立中学に進むと、家計にとってはかなりの負担になることがわかります。そこで、公立・私立別にかかる費用の詳細を上の調査から紹介します。

公立の場合、学校にかかる費用より、学校外にかかる費用のほうが大きい

公立中学で、学校教育費としてかかる費用の平均は年に約12万9000円。月にすると1万円強なので、学校関係だけなら家計からの負担が重いというほどではありません。学校教育費の内訳で、金額の占める割合が大きいものから紹介すると次のようになっています。

○通学関係費 3万3094円・・・25.7%
○教科外活動費 3万2468円・・・25.2%
○図書・学用品・実習材料費等 2万4645円・・・19.1%
○修学旅行・遠足・見学費 2万2918円・・・17.8%
○学校納付金等 1万2055円・・・9.3%

公立の場合、学校納付金は少ないものの、電車・バスなどの交通費や、自転車通学の場合の自転車購入費といった通学関係でかかる費用が意外に大きな割合を占め、次に大きいのが教科外活動費、いわゆる部活動などの費用です。公立でも、小学校の学校教育費は年に平均6万円弱のため、中学に進むとその倍はかかることになります。

しかし、こうした学校教育費よりも負担が大きいのは、学校外にかかる教育費です。その平均額を下の図で学年別に見てください。

公立中学では、1年生のときから塾代などの補助学習費が年に15万6000円、その他の学校外活動費が8万円で、年に23万6000円の費用がかかっています。これが2年生になると27万1000円と増え、3年生では43万5000円と一気に高くなります。
3年生になると高校受験を控えて塾代などの負担が増え、家庭での教育費が重くなることがわかります。

私立は授業料を含め、学校関係の費用だけで年に約100万円

学校教育費だけを見ると、私立は公立の約8倍で、年間約102万円。そのうち、最も大きな割合を占めるのは授業料です。私立の学校教育費の内訳も見てみましょう。

○授業料 43万5917円・・・42.6%
○学校納付金等 28万614円・・・27.4%
○通学関係費 13万8669円・・・13.6%
○修学旅行・遠足・見学費 6万3707円・・・6.2%
○教科外活動費 5万5170円・・・5.4%(以下省略)

これは全国平均の金額ですが、東京都内の私立中学の学費の平均は、授業料が46万台とやや高くなっています。さらに、授業料の高い学校は最高131万円(1校)で、80万円台という学校もけっこうあり、低い学校は20万~30万円台のため、ざっと4~5倍もの開きがあります(平成28年度『都内私立中学の学費の状況』より)。
また、入学金や施設設備費も学校によって大きく異なります。

注意したいのは、私立中学では入学時に寄付金や学校債を募集する学校が多いことです。都内私立中学では半分近くが、1口数万円、もしくは5万円、10万円で2口以上といったかたちでの寄付金を募集しています。任意とはいうものの、入学者の大半は納めているようで、その平均額は約14万6000円。学校債は7校ですが、寄付金と学校債の両方を募集する学校もあります。そのため、学校に納めるお金だけで、1年目は初年度納付金に寄付金などを合わせて130万~150万円というケースも少なくありません。
私立の場合、授業料などのほかにも、このように学校によってかかる費用の違いに注意が必要でしょう。

私立の補助学習費は公立より少ないが、そのほかの費用がいろいろかかる

私立中学は学校にかかる費用が高いものの、中高一貫や大学付属の学校も多いため、そうした学校に進めば、塾代などがかからず、トータルでは公立とあまり変わらないと思っている保護者も多いようです。しかし、私立でもレベルの高い学校では、授業についていくのが厳しいために塾などに通うケースもありますし、大学は国立志望が当たり前という中高一貫の中学では、やはり中学時代から進学塾に通っている生徒もいます。
私立の学校外にかかる教育費は、下のように年30万~34万円くらいとなっています。

このほか、私立の場合は学校指定の制服や靴、バッグ、体操着なども高めで、前述のように定期代などの通学関係費は月に1万円以上。修学旅行などの行事や部活動にかかる費用も公立の2倍から3倍かかっています。私立はかなり遠くから通学する生徒も多く、休日に子ども同士で集まる際の交通費や、レジャー・スポーツを楽しむためのつき合い費や小遣いも、けっこうかかるという話はよく聞きます。

また、私立はお金持ちの子どもが多いので、「子ども同士のつき合いだけでなく、保護者同士のつき合いにもお金がかかる」という人もいますが、それは学校の校風によっても異なり、大学付属のブランド校などを除けば、すべてに当てはまるわけではありません。

ただし、中学から私立に進む場合、高校、大学も私立になるケースが多いということは忘れてはいけません。高校までなら6年間、大学まで私立に進むと最低10年間は、子ども1人につき毎年100万円以上の教育費がかかってくるということです。子どもが2人、3人となれば、その2倍、3倍に……。
それだけの費用を毎年、家計から賄えるかどうか、そうしたことも含めて、中学の進学先を検討することが重要でしょう。

文:マネージャーナリスト 光田洋子

プリンターのトナー認識

ブラザープリンター愛好者です。

この記事には助かりましたね。
ブラザーHLシリーズのHL-2130シリーズでも記事内容の操作は有効でした。

メーカーに、プリンターはPC側から認識しているが新品トナーカートリッジに交換後にトナーランプが点灯したままで印刷ジョブにも残らない。機械が壊れたと思うので修理してほしい旨の電話をしてみました。
症状を聞かれた上で、本体でなくそのカートリッジを送って下さい、というのが回答でした。
つまり、機械は故障ではない。カートリッジだということで、これは純正品使用への囲い込みとピンときましたね。そこで、検索でヒットしたのがこのサイト。純正品でないものを使用不能すれすれにプログラミング措置というところでしょうか。(日本だから通るだろうが、訴訟王国では通らないSPECでしょうが)

ブラザーのプリンターは優秀ですね。壊れないのだ。


Brother HL-2240D トナー交換後のリセット

毎日調子よく動くプリンターの予備トナーを確保してたほうがよかろうと、今回初めて純正ではない安い互換トナーを買う。先日プリンターのトナーが切れたので、かねて準備のそれをセット。ささっとプリントとしようと思ったら、tonerのエラーの表示が消えない。
なぜなんだ、どうしてなんだ、安物買いの銭失いかぁ。これは罠かと騒いだが、プリンターは頑としてtonerエラー表示のまま。
複合機もあることだし、しばし放置することに。
しかし、動かないプリンターを机の横にのさばらせるのも腹が立つ。なにか手だては。
一番楽で、安くて、手が汚れないやりかたはないものか。
Jeevesはおらんのか。
安い互換トナーを買って喜んでセットしたのに
Brother HL-2240Dの、tonerエラーの表示が消えない場合の対処法。
(Brother printer HL-2240D Toner reset)

1.tonerのエラーが表示されてる状態のまま、フロントのパネルを開ける、そして閉める。
2.電源を切る。
3.フロントのパネルを開ける。ドラムとトナーを抜き出してチェックするふりをして元に戻す。
4.フロントのパネルを開けた状態で、緑の線の入ったGoボタンを押したまま、電源を入れる。
5.電源が入ったら10ぐらい数える。
6.ボタンから指をはなして、Goボタンを2回押す。
7.10ぐらい数えて待つ、Goボタンを5回押す。
8.Errorの表示が点滅。フロントのパネルを閉める。
9.ごごー音がしてしばらくすると、Readyの表示。電源を落として、再起動。
10.Readyの表示が出たら、テストプリント。

どんなもんだい。(威張ることでもない。でもよかったぜ。プリントできて)

似たような型番のBrotherのプリンターなら、同じやり方で上手くいくかも。

生活保護費を搾取する貧困ビジネス施設から立ち直った女性の半生

生活保護費を搾取する貧困ビジネス施設から立ち直った女性の半生

© diamond 今回は、精神障害を抱えて生活保護で暮らす1人の女性の半生から、彼女が抱え続けてきた多様な「貧」と「困」を紹介したい(※写真はイメージです)

ほぼ唯一の現金給付生活保護費の生活費分の現状

生活保護費に関する議論の中心となっているのは、「支給が現金であってよいのかどうか」を含めて、カネの問題だ。

生活保護で暮らす個人や世帯に対する生活保護費は、高すぎるのか低すぎるのか。生活保護費は、日本の国家財政にとって重すぎる負担なのか、それとも負担は不当に少ないのか。そもそも、現金がよいのか現物がよいのか。議論は尽きないが、とりあえず、現金給付となっているのは一部にすぎないことを確認しておきたい。

生活保護費のうち、世帯に現金で給付されるのはほぼ生活費だけ。それ以外はほとんどすべて、すでに現物支給となっている。家賃分は本人に現金で預けられる場合もあるが、それは契約しているのが本人だからだ。

現金は、何にでも交換できる。このため、生活保護のもとで現物給付されるモノやサービスが「健康で文化的な最低限度」に達していない場合、不足を補うためには、唯一の現金給付である生活費を使用するしかない。生活保護での家賃補助の範囲にある住宅が見当たらない場合、家賃のために生活費が圧迫されることになる。医療費のうち、必要なのに生活保護でカバーされない部分も、生活費から持ち出されることになる。

今回は、精神障害を抱えて生活保護で暮らす1人の女性の半生から、彼女が抱え続けてきた多様な「貧」と「困」を紹介したい。彼女は、何が不足していたために問題を抱えることになり、そして現在も抱えているのだろうか。現在の「まあまあ幸せ」と自認できる暮らしは、何によってもたらされたのだろうか。

和歌山県で生まれた西田浩美さん(仮名・44歳)は、3歳で幼稚園に通い始めた直後、自分が両親に虐待されていることに気づいた。

サラリーマンの父親と専業主婦の母親は、浩美さんが大切にしているモノは必ず捨て、大切に思っている友人との関係には必ず介入して破壊を試み、「しつけ」「罰」と称して多様な肉体的暴力を加えていた。

昭和家庭の“児童虐待あるある”精神科に強制入院させられた女性

このパターンは、昭和の中産階級に少なからず見られた「虐待あるある」だ。食事を食べさせ、みすぼらしくない服装をさせ、目に見えるところに傷やアザをつくらない程度の暴力しか振るっていない場合、まず「虐待」と認識されることはない。それどころか、「充分な愛情を注いでいるにもかかわらず、子どもに理解されない哀れな両親」というアピールが可能だ。周辺の大人たちの中に「何だかヘンだ」と気づいている人々がいても、他人が介入することは不可能に近い。

3歳の浩美さんは、幼稚園に通い始めて間もなく、虐待されていないクラスメイトたちと自分を比べて「ウチは、なんだかおかしい」と気づいた。しかし、何か具体的な対策を講じることはできなかった。

虐待の背景にあったのは、同居していた父方の祖母と母親の対立、いわゆる「嫁姑問題」だ。同居していた父方の祖母は、初孫の浩美さんを大切にしていた。このため、父方の祖母を嫌っていた母親は、浩美さんを虐待しはじめたようだ。さらに3歳下の妹が生まれると、母親は妹を溺愛し、父方祖母は妹に辛く当たるようになった。母親への当てつけである。

この「嫁姑問題」と、2人の娘がどちらも誰かに虐待されたり辛く当たられたりしている状況を放置し、ときには自ら虐待に参加していた浩美さんの父親は、依存症らしき問題を抱えていたようである。しかし、依存の対象を分散することにより、問題視されるほどの依存状態に陥ることを回避できていた。浩美さんの記憶の中の父親は、家庭の中で酒を飲んで暴言を吐くことが多かったものの、対外的には飲酒に関連した問題は起こしていなかった。また、買い物依存となってサラ金で多重債務を抱えた時期もあったが、返済できる金額にとどめ、後に完済したという。

医師で障害科学研究者でもある熊谷晋一郎氏によれば、人間の自立は「依存先を増やすこと」である。浩美さんの父親は、巧妙に自立していたのだろうか。それとも、巧妙に依存していたのだろうか。判断が悩ましいところだ。

浩美さん自身にも、依存症の症状が現れた。小学生の浩美さんは、身体を壁にぶつけるなどの自傷行為が止まらなくなり、ついで摂食障害が現れた。両親が飼っていた鳥に生の穀物をエサとして与えているうちに、その鳥のエサを食べることに夢中になり、「懸命に食べる」ようになった。学校では「イジメられてばかり」。

中学生になると、浩美さんは激しい拒食で痩せ細り、学校の校医などを通じて入院を勧められるほどの状態になった。さらに「世界がいきなり終わり始めるような雰囲気」を感じたり、寝ようとしたら「寝るな」という声が聞こえたりし始めた。「世界没落妄想」「幻聴」という、明確な精神症状だ。

拒食や精神症状を心配した学校関係者は介入を試みたが、浩美さんの両親が強硬に抵抗したため、医療につながることはできなかった。中堅進学校の高校に進学した後も、精神症状は悪化するばかりだった。友人や高校教職員が「保健所に相談する」などの“オトナの知恵”を駆使した結果、高校生の浩美さんは精神科で「統合失調症」と診断された。

しかし両親は「娘を勝手におかしくした」と怒り、通院治療を許さなかった。健康保険証が世帯ごとに一通だけだった時代、親は簡単に子どもを医療から遠ざけることができたし、子どもが“親バレ“しないように医療にアクセスすることも実質的に不可能だった。

リストカットが止まらない身動きできずに床に転がされて

浩美さんが初めて精神医療にアクセスできたのは、精神症状や摂食障害に苦しみながら大学の法学部を卒業して就職し、自分の健康保険証を手にした後のことである。浩美さんは23歳になっていた。両親との同居は解消されていなかったが、回復への一歩を歩み始めたはずだった。

しかし25歳のとき、浩美さんはリストカットが止まらなくなった。両親は初めて浩美さんを伴って精神科病院に行った。浩美さんは、「自分の希望でいつでも退院できる任意入院で、病棟は開放病棟」という説明を受けて入院することにしたが、気がつくと閉鎖病棟に閉じ込められていた。その扱いに傷ついて死のうとすると、鎮静剤を強制的に注射され、閉鎖病棟の中にある保護室に閉じ込められた。

精神科病院の中にある保護室は、時期や病院のポリシーによって様々だが、浩美さんが経験したのは「何もない部屋に穴を掘っただけのようなトイレ」「冷たい床」「寝具は毛布3枚だけ」「着替えもトイレも、ナースステーションから丸見え」というものだった。注射された鎮静剤の効果で身動きできないまま床に転がされていた浩美さんは、自分で毛布をかぶることもできず、寒さに震えながら監視されていた。寒くて震えている自分の姿を監視している看護師たちが、毛布を掛けに来ることはなかった。

このとき、浩美さんは「自分はもう実験動物のサルのような存在なんだ、これからの人生で、人間として扱われないんだ」と確信したという。それでも浩美さんは「退院したい」と訴え続け、3ヵ月で退院したのだが、行き先は両親の家しかなかった。職業生活を継続することも、もっと学びたいのに学ぶこともできなくなった浩美さんは、摂食障害を悪化させていった。

やがて、家にある食物をすべて食べ尽くすほどの過食状態となった浩美さんは、両親によって「依存症の人々のための支援施設」を名乗る四国の施設に送り込まれ、生活保護で暮らし始めた。それが施設の方針だったからだ。

就労することは、依存症の回復に対して有害な場合がある。ストレスや疲労感が溜まれば、解消したくなるのが人間の自然の摂理だ。もともとアルコールに依存していた人なら、スーパーやコンビニで日常生活のための買い物をするついでに、うっかり酒に手を出すこともある。

このため、依存症を専門とする良心的な施設の多くで、「充分に回復するまでは生活保護で、就労はしても控えめに」という方針が採られている。浩美さんの入所した施設も、そこだけは同じだった。

小遣いは1日わずか90円、医療が必要でも受けられない

浩美さんの入所していた施設は、典型的な「貧困ビジネス」であった。生活保護費は施設が全額預かり、8畳程度の部屋に2段ベッドが3つの「住」と、1人1日の予算が約100円という「食」を提供していたが、その生活保護の受給者本人である入所者に対しては、1日90円の小遣いしか渡されなかった。缶ジュースを1本買うことも、古本屋で本を1冊買うことも難しい。靴や服が破れても買い替えられない。もちろん、電車にも乗れない。経済的に軟禁していたようなものである。

施設側は、入所者が遠くに行く機会、第三者と接触する機会をつくらないようにしていた。円満な関係にある近親者が危篤でも、施設に入所している本人に知らされることはなかった。帰省させたら、二度と戻ってこない可能性があるからだ。

また、虫歯が痛んでも、急病で苦しんでいても治療させなかった。メガネが必要でもつくらせなかった。理由は「女性は、虫歯を治療して見栄えがよくなると売春する」といったデタラメの羅列であった。浩美さんは、その女性観に現在も憤っているが、私から見ると、施設は入所者が医療機関と接触することを避けていたものと思われる。

医療費も眼鏡代も生活保護費で賄われるため、施設には全く負担をもたらさない。ただし、施設に対する利益は全くない。医療機関が施設の実態を知れば、入居者の減少や施設の摘発につながる可能性も皆無ではない。

施設責任者は、1ヵ月に1回だけ、100円のハンバーガーを人数分買ってきて、温かなハンバーガーを入所者全員に食べさせて喜ばれていた。まるで故事成句の「朝三暮四」である。また、入所者の一部を特別な“仕事”に従事させていた。浩美さんも“仕事”を任せられていた。

その内容は、「施設に入所している約80人全員の生活保護費を銀行で引き出し、施設に持ち戻る」というものだ。入所者を分断して施設に反抗しなくするための人心掌握術として機能すると同時に、他人名義のキャッシュカードで現金を引き出すという違法行為も、合計約1000万円にもなる現金を持ち運ぶ危険も、入所者に押し付けることができる。「一石二鳥」どころではない巧妙さだ。

施設の脱走に成功友人に助けられて現在に至る

もちろん、感心している場合ではない。浩美さんは数回にわたり、現金を背負って自転車で施設に戻る途中、後を尾けられるなどの危険な経験をした。

33歳のとき、浩美さんは施設を脱走することに成功した。その後は友人たちに支えられて、関西の都市で単身での生活保護生活を開始し、現在に至っている。同時に、精神障害者保健福祉手帳・障害基礎年金も申請し、いずれも受理された。それまで申請しなかったのは、3歳下の妹が「結婚できなくなる」と両親が反対したからだった。その妹は、浩美さんが施設にいた間に結婚していた。両親は、妹の結婚相手の家族に「姉は出家して尼寺にいる」と説明していたということだ。

「妹が結婚する権利の前に、私の生存権が侵害されていたってことですよね」(浩美さん)

なお、障害年金・障害者手当などの給付を受ける場合、生活保護費はその分減額されるため、毎月の生活費の総額は変わらない。加えて、年金や手当の「まとめ支給」の問題があり、月々の収入が大きく変動し、やりくりが困難になる。

肝心なところを「適正化」できない理由とは?

浩美さんが入所していた施設と運営団体は、現在も名称や所在地などを変えながら存続している。医療機関ではなく、したがって、医療扶助まで搾取することは不可能なのが、せめてもの救いかもしれない。

現在の浩美さんは、調子のよいときには、聡明でオシャレで魅力的な女性だ。調子の悪いときの様子は、想像するしかない。調子が悪いと外出できないし、入院している場合もある。施設を脱走した後の浩美さんには、現在までに10回の精神科入院歴がある。

もちろん、摂食障害は現在も続いている。昨年は拒食から栄養失調となって入院し、現在は過食状態だ。しかし、ここ数年、拒食でも致命的な事態は引き起こさず、過食は低カロリーで安価な食材によって比較的健康的に行えている。摂食障害との“付き合い”の内容は、前進を続けているようだ。

それにしても、生活保護費でのやりくりで、自分にとって大切な費用を捻出し、「自分の生活」と言える生活を営むことは容易ではない。浩美さんは、「日本国憲法第25条の生存権には、第13条の幸福追求権が含まれているはずですよね。『この金額で幸福追求できるんかい!』というツッコミはしたいです」と、法学部出身者らしい言葉で怒る。

しかし現在の生活については、「概して『幸せだ』と思っています。少しずつ、おかしいことは『おかしい』、わからないことは『わからない』と言えるようになってきました。でも、昔はそうじゃなかったんですよね。今言える自分で、良かったと思っています。言えない人は、もっと苦しいですから」(浩美さん)と笑顔で語る。話を聞いている私も、自分ごとのように「よかった」と思う。

それにしても、これまでの浩美さんの歩みのあまりの苛酷さには、溜息が止まらない。少なくとも施設入所時は、生活保護のもと、福祉事務所やケースワーカーも関与していたはずだ。誰にも何もできないのは、なぜだろうか。

精神科病院の看護師として、入院患者の看護を含む長年の職務経験を持つ有我譲慶(ありが・じょうけい)さんは、「国や行政は社会保障費抑制を進めているわけですが、そういう施設には利用価値があるんでしょうね」と語る。

「何らかの問題を抱えた“厄介”な人を受け入れ、収容してくれる施設や病院は、行政にとって好都合という側面があるんです。過去には、施設や病院の側から、警察や保健所などの行政に“営業”活動をしていた事例がありました。現在も、寝る場所と食事だけを提供する収容所のようなサービス付き高齢者向け住宅を運営している医療法人もあります。医療では充分な利益が確保できないとなると、入所施設で“貧困ビジネス”を展開するしかないのでしょうか」(有我さん)

必要悪だが著しい人権侵害が行なわれていることは否定できない

貧困ビジネスに、必要悪という側面は否定できない。しかし、著しい人権侵害が行われていることは間違いない。

「でも行政は、構造的な問題と捉えて社会保障を根本から建て直すことを避けたいから、利用者本人の問題に注目し、“貧困ビジネス”が必要な構造を温存しているのかもしれません」(有我さん)

生活保護で暮らす本人たちの生活習慣や医療機関の利用に対する過大な問題視が支持され、「適正化」の必要性が信じ込まれている限り、構造と行政が問題にされることはなさそうだ。

わかりやすく感情を動かされやすいエピソードの表面を見るだけでは、真実はわからないかもしれない。しかし深堀りしていくと、案外その奥に真実が示されているのかもしれない。

日銀総資産500兆円、GDP並みに膨張

日銀保有による国債消化はメガバンクの40兆円台の10倍以上の水準にまで膨らんでおり、いつまでこんな状況が持つのでしょうか。国民の金融資産がある日突然毀損する時はいつかはやってくる。銀行預金が利息を生んだ時代が懐かしい。


日銀総資産500兆円、GDP並みに膨張 5月末  異次元緩和の出口難しく

2017/6/1 22:10 情報元 日本経済新聞 電子版

日銀の総資産が5月末時点で初めて500兆円を突破したもようだ。国債を大量に買い入れて市場に資金を供給しているためで、日本の名目国内総生産(GDP)にほぼ並ぶ規模となる。デフレ脱却に向けた異次元緩和の結果だが、物価目標の達成はまだ遠い。資産が膨らみすぎると、金融緩和の手じまいが難しくなると懸念する声が出ている。

中央銀行の総資産は、規模が大きいほど市場に多くの資金を供給し、金融緩和の度合いが強いことを示している。

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日銀の5月20日時点の総資産は498兆1574億円だった。その大半を占める国債が5月31日時点で2兆2414億円増えており、他の資産が大きく変化していないなら総資産は500兆円を超えたと推定される。

黒田東彦総裁が就任後の2013年4月に量的質的金融緩和(QQE)を開始して以降、総資産の伸びが加速した。日銀は16年9月に金融政策の軸足を量的緩和から金利操作に移したが、長期金利をゼロ%程度に抑えるために国債を買い入れ続けている。日銀は物価上昇率が目標の2%を安定的に超えるまで資金供給量の拡大を続けると約束しており、500兆円は通過点にすぎない。

日銀の総資産は足元でGDPの93%に相当する。米連邦準備理事会(FRB)の23%(約4兆5000億ドル)や、欧州中央銀行(ECB)の28%(4兆2000億ユーロ)と比べても大きさが際立っている。米国はすでに利上げ局面に入り、米欧とも目線は資産の縮小に向かっているが、物価上昇が鈍い日本はまだ資産の拡大が続く。

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資産規模が膨らみすぎることの問題は、それが日銀の財務を悪化させる要因になり得ることだ。金融緩和を手じまいする時に利上げをすると、日銀は当座預金にお金を預けている銀行などに高い利息を払う必要がある。日銀が大量に購入してきた国債は利回りが低いため、払う利息が収入を上回る「逆ざや」が一時的に発生してしまう。

中央大学の藤木裕教授の試算によると、2%の物価目標を達成した場合、日銀は10年以上も赤字になる。その損失が大きくて自己資本を上回ると、債務超過になってしまう。一部のエコノミストには、日銀が赤字や債務超過になると円が急落し、急激な物価高を招きかねないと懸念する声がある。

日銀内には、大きな問題はないとの意見も目立つ。利上げをするほど景気が良ければ、日銀が保有する国債もいずれは利回りが上昇する。「長期的に考えると日銀の財務の健全性に悪影響はない」(原田泰審議委員)。行内でも「債務超過に陥る可能性は低い」(幹部)との見方が主流だ。

そもそも金融緩和が長引くと、低利で国債を発行できる政府の財政規律が緩むことが問題だとする専門家は多い。

日銀が1日に発表した調査によると、債券の円滑な取引ができているかを示す指数は大規模緩和以降、低い状態が続いている。政府の財政規律に警告を発する債券市場がうまく機能していない。中長期的に財政の規律が守られる仕組みになっていないと、日銀が金融政策を手じまいする「出口戦略」の過程で、金利が急騰しやすくなる懸念もある。

自宅売却後も居住できるサービス

リコーリース、自宅売却後も居住できるサービス 2017/5/20 12:04 日本経済新聞 電子版

リコーリースは6月から、自宅のマンションを売却した後もそのまま住み続けられるサービスを始める。リコーリースが不動産を取得し、所有者と賃借契約を結ぶ。見守りサービスなども併せて提供する。医療費や介護費用がかさむなか、高齢者が必要な現金を確保しつつ、住み慣れた自宅に住めるようにする。

対象エリアは首都圏。今後、3年間で100億円程度の物件取得をめざす。自宅を担保として融資を受ける「リバースモーゲージ」と似ているが、リバースモーゲージの場合は戸建てが多いほか、不動産価格の下落で担保割れした場合、相続人が返済しないといけないリスクもある。今回は所有者が自宅をリコーリースに売却するためそうした問題は発生しない。

高齢化が進むなか、子供がいない夫婦などを中心に、自宅を現金に変えたいニーズが今後強まるとみられる。

配偶者控除のこと2

毎日新聞から

22017年度の税制改正で最大の焦点となっている所得税の配偶者控除の見直しを巡り、政府・与党は24日、控除対象となる配偶者の年収上限を現行の「103万円」から「150万円」に引き上げる方針を固めた。ただ、年収が150万円を超えても、世帯の手取りが急に減らないよう、年収201万円までは控除額を段階的に減らして減税対象とする措置も併せて導入する。

自民、公明両党は24日、それぞれ税制調査会を開き、年収上限を引き上げる水準として「150万円」のほか「130万円」などの案を検討。「150万円」に強い異論が無く、両党は25日に与党税制協議会を開いて

確認する。配偶者控除の適用拡大のイメージ© 毎日新聞 配偶者控除の適用拡大のイメージ

制度としては、配偶者控除の枠組みは維持しつつ、現在の年収上限(103万円)を超えても段階的に控除を受けられる「配偶者特別控除」を拡充する形とする。150万円までは、主な稼ぎ手の控除額は38万円とし、201万円までは金額を減らしながらも控除が受けられるようにする。

財務省が自民税調で示した資料によると、配偶者の年収が103万円を超える約300万世帯が減税のメリットを受ける。一方、対象世帯の拡大による税収減を防ぐため、主な稼ぎ手(主に夫)の年収が1120万円を超えた場合は制度の対象外とする。約100万世帯が増税となる見込み。ただ、制限を超えても段階的に控除が受けられるような仕組みの導入も検討している。

配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合、主な稼ぎ手の年収から38万円を控除し税負担を軽くする制度。【横山三加子】