22017年度の税制改正で最大の焦点となっている所得税の配偶者控除の見直しを巡り、政府・与党は24日、控除対象となる配偶者の年収上限を現行の「103万円」から「150万円」に引き上げる方針を固めた。ただ、年収が150万円を超えても、世帯の手取りが急に減らないよう、年収201万円までは控除額を段階的に減らして減税対象とする措置も併せて導入する。
自民、公明両党は24日、それぞれ税制調査会を開き、年収上限を引き上げる水準として「150万円」のほか「130万円」などの案を検討。「150万円」に強い異論が無く、両党は25日に与党税制協議会を開いて
確認する。
制度としては、配偶者控除の枠組みは維持しつつ、現在の年収上限(103万円)を超えても段階的に控除を受けられる「配偶者特別控除」を拡充する形とする。150万円までは、主な稼ぎ手の控除額は38万円とし、201万円までは金額を減らしながらも控除が受けられるようにする。
財務省が自民税調で示した資料によると、配偶者の年収が103万円を超える約300万世帯が減税のメリットを受ける。一方、対象世帯の拡大による税収減を防ぐため、主な稼ぎ手(主に夫)の年収が1120万円を超えた場合は制度の対象外とする。約100万世帯が増税となる見込み。ただ、制限を超えても段階的に控除が受けられるような仕組みの導入も検討している。
配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合、主な稼ぎ手の年収から38万円を控除し税負担を軽くする制度。【横山三加子】