(コメント:無症状の者を遺伝子情報だけで感染者に位置付け’隔離’する、こういった馬鹿騒ぎは、何の科学的・学際的知識のかけらもない首長らの自己保身が招いた失策であり、コロナの真実は少数意見に真実があることを無視し続けた結果でもある。国民は大いに怒るべきだがそうもいかない空気がこの国にはある。マンボウなどやっているときか。科学的事実は一律の検査ならびにワクチン接種の無効性を指し示しているが、考えたくないものは考えない一億総白痴化社会が蔓延している。意味の無い毎日の’感染’数報道や、感染症研究所の接触感染固執論も全く根拠が無い流言飛語に等しい。)

84億円投じた吉村知事肝いりの大規模医療・療養センターはガラガラ「寒すぎて、失敗」と療養者

「インテックス大阪」にある大阪コロナ大規模医療・療養センター(内覧会で撮影)

2022/03/10 © AERA dot. 提供 「インテックス大阪」にある大阪コロナ大規模医療・療養センター(内覧会で撮影)

「野戦病院はとにかく寒かった、こういうものだったんだと思い知った。療養する場所じゃないですね」

 こう話すのは、大阪府内在住の30歳代の男性Aさんだ。

「野戦病院」と語るのは、大阪府が吉村洋文知事の肝いりで84億円をかけて国際展示場「インテックス大阪」を改装し、開設した新型コロナウイルス感染者向けの大阪コロナ大規模医療・療養センター(以下センター)のこと。

 無症状・軽症患者用800床、中等症患者用200床、合計1000床で病床ひっ迫といわれる大阪府にとって「救いの神」となるはずだった。

 そして無症状・軽症患者用は1月31日、2月15日に中等症患者用が開設された。2月4日にはじめて1人の入所があったが、翌日には宿泊療養でホテルに移動。その後、2週間は0という日が続き、3週間経過してようやく18人。3月7日までにセンターを利用した患者数、累計はたった133人だ。

 冒頭に語ってくれたAさんは、軽症で2月下旬に入所した。センターの1日は、朝7時くらいになると起床のアナウンス。その後、スマートフォンにダウンロードされた、厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム「HER-SYS(ハーシス)」に体温などを入力するように求められる。

 それが終わると、自分で朝食を取りに行く。その後、看護師から連絡が入り、体調などを聞かれて、昼食。午後は洗濯など自由時間で、6時頃に夕食という。部屋は広い展示場をオフィスなどで使われるパーテーションで区切り、ベッドと小さなテーブルがある。

「食事はスタッフに聞いたら『AERAdot.の記事の反響が大きく、今はメニューがよくなった』と言ってました。私が入所していた時は、1食900円に満たない中身の弁当ばかりでした。部屋はよくある病院の個室で最低限のものはあります。しかし、天井が吹き抜け、床は薄いカーペットがあるだけで、いくら着こんでも足元から冷えてきた。共同のシャワーがありますが、寒いので昼に入っていたが、それでも寒かった。トイレもインテックス大阪でも共同で利用しているもの。咳や話し声も響き、プライバシーもあまり確保されていない。自由時間にフリースペースで親しくなった人と話していると寒さが話題になった。その人は分厚い靴下など重装備をしていた。府が配布しているセンターのしおりに分厚い靴下を用意するように載っていたんですよ」(Aさん)

 AERAdot.が入手したしおりには入所時に必要な衣類として、<温度調整可能なもの推奨。セーター、タイツ、厚手の靴下等も忘れず館内は寒いので着替えも持参><救急車で来る場合は外出用の服と下足も><カイロ 防寒用>と記されていた。

 府が「寒い」と認めている「野戦病院」でコロナ患者を療養させていることになる。

「入所時にセンターの中は撮影するなという書類にサインさせられる。野戦病院がいかにひどいか、SNSとかに出されるのが嫌なのでしょうね。一度、写真を撮ろうしたら、ダメですとスタッフから止められたこともある。患者さんが少ないので、ガラガラ。スタッフも暇そうです」(Aさん)

 岸田文雄首相は感染拡大に対応するため、東京都と大阪府に臨時医療施設として計1000床ほど増やすと2月に表明した。大阪府には350床を追加、そのうち200床はセンターの病床があてられている。要するに、1000床のうち200床は、国の支援があって運用できているということだ。

「吉村知事がセンターの開設を打ち出し、候補がいくつかあがった。吉村知事が『野戦病院』とこだわり、強烈にアピールできる場所として、病院ではなく、インパクトがあるという理由でインテックス大阪となりました。センターは200床が国の支援となっているが、それすら埋まりません。国際展示場なので床はコンクリート、天井は高い。案の定、療養者が『寒い』を連発し、場所も大阪市内の中心部からは遠いので敬遠されています。正直、失敗ですよ」(大阪府幹部)

 それに対し、吉村知事は記者会見で「入院の必要性が高い方もいれば、そうじゃない方もいらっしゃる。センター等で受け入れて支援するということをやっていく」と大規模医療・療養センターの活用を訴えた。

 2月中旬からセンターへの入所対象の年齢を40歳未満から60歳未満に引き上げた。だが、府が新規感染者のために開設した、電話で宿泊療養などを調整する「自宅待機SOS」関係者はこう訴える。

「SOSで問い合わせを受けている限り、センターを希望される人はまずいませんね。大阪府は60歳未満までセンターに入れるとしているが、SOSには、今も対象は『原則40歳未満でセンターでの療養を希望する軽症・無症状の者』と通知が来ています」。

 大阪府に見解を聞いた。

「センターの候補地ですが、1000人規模ということ、吉村知事の意向もありインテックス大阪に白羽の矢が立った。確かにしおりにはセンターで寒さをしのぐ記述があります。館内は22度に保っており、床にも絨毯が敷かれており問題がないと思う。療養者の寒いという声があるなら対応したい。利用の割合が低いのは、宿泊療養のホテルも利用率が20%台とかなり空きがあるからだと思われます」

 大阪府は3月21日までまん延防止等重点措置が延長されたが、新規感染者はいま、減少傾向となっている。

 また、センターは身の回りのことは自分でできる自立型の施設。オミクロン株は若年層の重症化する割合が低いこともあり、入所者が増える可能性はこの先、あまりないとみられる。センターに投じられた税金84億円はどうなるのだろうか。

(AERAdot.編集部 今西憲之)

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