がん5年生存率62.1% ゆるやかに向上

熊井洋美、川村剛志 asahi 2016年7月22日06時09分

国立がん研究センターなどの研究班は22日、がん患者を追跡した5年後の生存率(全国推計)を発表した。地域がん登録をしている都道府県のデータを集計するのは3回目。今回は2006~08年にがんと診断された21府県の約64万人を調査、全てのがんの5年生存率は62・1%で、過去2回より3~5ポイント高く、緩やかに向上している。

5年生存率は、がん患者で診断から5年後に生きている人の割合が、日本人全体の5年後に比べてどのぐらいかを示すもの。割合が高いほど治療で生命を救える効果があり、5年が治療や経過観察の目安の一つとされる。前回は03~05年に診断された7府県の約19万人で58・6%、初回は00~02年診断の6府県15・4万人で56・9%だった。

今回の集計を部位別にみると、前立腺が97・5%で最も高く、甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部が続いた。膵臓(すいぞう)、胆囊(たんのう)・胆管、肺、肝臓が低かった。一方、悪性リンパ腫白血病、口腔(こうくう)・咽頭(いんとう)、肝臓などで初回からの改善幅が大きかった。

性別で見ると、女性は66・0%で、男性の59・1%より高い。同じ部位でも肺(女性43・2%、男性27・0%)や食道(女性43・9%、男性36・0%)で差が大きかった。

5年生存率が緩やかに向上した背景には、予後がよい乳がん前立腺がんが増えている面もあるが、部位別でもほとんどで過去2回より改善している。国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「治療法が改善され、検診で早期発見ができるようになった」と分析する。例えば、白血病で新しい薬が治療に導入され、肝臓がんでは局所療法に効果が出ているという。

若尾さんは「大腸がん肺がん乳がんでその後に分子標的薬や新しい抗がん剤が登場しており、次の集計ではさらに生存率の向上が見込まれる」と話す。

 

■主な部位別のがん「5年生存率」(%、年は診断された年)

2000~02年/03~05年/06~08年(今回)

◇口腔(こうくう)・咽頭(いんとう)

54.6/54.3/60.2

◇食道

33.2/33.7/37.2

◇胃

64.3/63.3/64.6

◇大腸

68.4/69.2/71.1

◇肝臓

27.1/27.9/32.6

◇胆囊(たんのう)・胆管

21.8/21.1/22.5

◇膵臓(すいぞう)

5.5/ 7.0/ 7.7

◇喉頭(こうとう)

77.8/75.9/78.7

◇肺

29.0/29.7/31.9

◇皮膚

90.9/90.9/92.4

◇乳房

87.7/89.1/91.1

◇子宮頸部(けいぶ)

72.2/72.2/73.4

◇子宮体部

79.2/79.8/81.1

◇卵巣

53.3/55.0/58.0

◇前立腺

84.6/93.8/97.5

◇膀胱(ぼうこう)

77.2/73.5/76.1

◇腎臓・尿路

65.4/65.7/69.1

◇脳・中枢神経系

32.7/32.6/35.5

◇甲状腺

92.1/92.2/93.7

悪性リンパ腫

54.6/58.7/65.5

多発性骨髄腫

29.0/32.6/36.4

白血病

32.1/37.3/39.2

◇全体

56.9/58.6/62.1

(対象者は00~02年が15万4022人、03~05年が19万404人、06~08年が64万4407人)

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