一人あたりGDPに見る生産性凋落

 

2023年最新(国連統計上は2021年)
一人あたりのGDPランキング
順位 国名 単位(US$)
1位 ルクセンブルク 132,370
2位 アイルランド 114,580
3位 ノルウェー 101,100
4位 スイス 98,770
5位 シンガポール 91,100
6位 カタール 83,890
7位 アメリカ 80,030
8位 アイスランド 75,180
9位 デンマーク 68,830
10位 オーストラリア 64,960
11位 オランダ 61,100
12位 オーストリア 56,800
13位 イスラエル 55,540
14位 スウェーデン 55,400
15位 フィンランド 54,350
16位 ベルギー 53,380
17位 サンマリノ 52,950
18位 カナダ 52,720
19位 香港 52,430
20位 ドイツ 51,380
21位 マカオ 50,570
22位 アラブ首長国連邦 49,450
23位 ニュージーランド 48,830
24位 イギリス 46,370
25位 フランス 44,410
26位 アンドラ 44,390
27位 プエルトリコ 38,570
28位 マルタ 36,990
29位 イタリア 36,810
30位 バハマ 35,460
31位 日本 35,390

世界の一人あたりGDP は捉えた時点での変動が大きく様々な分析が出ています。そこで、充分な経年期間を丁寧に分析してみると、ある明確な傾向が見えてきます。

1989年平成1年には日本はアメリカを抜いて先進国で1番でした。その後に曲折はありますが1995年(地下鉄サリン事件、円高で1ドル70円台などとなった年です)にピークの43,118ドルをつけて以降、足踏み状態が続いています。

現在はG20国の中でも最下位に等しく、G7の中でもイタリアの後塵を拝しています。左表をご覧下さい。現状は1995年平成7年の43,118ドルに届いていない。よく見ていただくと解りますが、日本は先進国の中で貧しい方向に確実に向かっています。グラフは国連統計(National Accounts – Analysis of Main Aggregates (AMA)) をもとに作成したもの。

GDPは、技術革新と労働人口に影響されます。2012年までは円高に支えられて2番ピークの48,302ドルをつけますが、それ以降、政権が代わっても、足踏み状態が続いています。対するアメリカには大きく水を開けられています。アベノミクスは失敗と一概に決めつけることは出来ませんが、ゼロないしマイナス金利政策下では諸手を挙げて成長の果実が得られているということにはなりません。東京オリンピックまでは、だましの成長を喧伝するでしょうが、その反動は消費税のUP も重なり大きなものとなるでしょう。その危険を回避するためには、政策変更の軌道修正が必要となるでしょう。

いま政治で大切なことは、生活の基盤から持続的な国民経済はどうあるべきかを党派を超えて議論することではないでしょうか。あらゆる面で社会制度は’金属疲労’しています。地域社会に生きる市民は、地域の問題に関心と監視を強め、頓挫した2大政党制を埋めるための努力が必要です。1強多弱は栄枯衰勢のたとえのようにすぐに壊れます。アンチテーゼとしてMMT新経済政策を唱える人もおりますが、ただでさえ問題の借金経済を雪だるま化させるだけです。超高齢化時代の経済は入りを計って出ずるを図ることが原則で、老人層も頭を鍛え技術革新を目指すことではないでしょうか。

そのための一つのキーワードは、憲法における地方自治の拡充、加えて2元代表制の見直しに伴いシニアパワーの活躍・活動を促進することでしょう。これらの動きは、地域政党化が進み、新しい2大政党の1翼へと発展しうる可能性を秘めています。国民の半数が不満とあきらめを抱えた現状打破には、国民主権を実感できる地方経済・地方組織の活性化がまず必要ということになるのではないでしょうか。

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